株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り心より感謝申し上げます。
車載市場において米国での関税政策による不透明感が続きました。半導体市場については生成AI用途向けへの積極的な設備投資の動きが見られた一方で民生エレクトロニクス向けの設備投資は低調に推移しました。産業機器市場では一部に持ち直しの動きがみられました。
このような環境のもと、電線・加工品セグメントにおいては、車載用ケーブルは新規量産品により売上が堅調に推移しました。エネルギー産業関連ケーブルは北米市場の旺盛な需要等を背景に好調に推移しました。半導体製造装置は復調傾向にありますが、回復は生成AI用途向けが中心であり軟調な推移となりました。医療用ケーブルは新製品が堅調な推移をみせ、産業機器用ケーブルは、7月より吉野川電線株式会社の連結とFA分野の一部回復傾向を受け増加しました。電子・医療部品セグメントにおいては、電子の分野では、ネットワーク機器において専門用途品の好調な推移に加え大型OEM案件により増加しました。医療部品の分野においては、得意先在庫調整の影響もあり売上が減少しました。
以上の結果、売上高は180億91百万円(前年同期比12.9%増)となりました。売上高が増加したことにより、営業利益は21億24百万円(同69.9%増)となりました。経常利益は20億31百万円(同55.3%増)となりました。吉野川電線株式会社の株式を取得し連結の範囲に含めたことによる負ののれん発生益が439百万円発生したことにより、親会社株主に帰属する中間純利益は18億5百万円(同79.5%増)となりました。
当期の中間配当につきましては1株につき23円とさせていただきました。
今後の見通しにつきましては、国内経済においては、雇用や所得の改善を背景に緩やかな回復がみられましたが、米国の通商政策に起因する不透明感が依然として続いております。海外経済においては、米国では景気拡大のペースが緩やかとなり通商政策や高い金利水準の継続による下振れリスクが生じています。欧州では景気持ち直しのテンポが緩やかになり、米国の通商政策に起因する不透明感が続いております。中国では各種政策の効果がみられるものの、景気は足踏み状態にあります。
当社の事業におきましては、米国では現政権下においてもソーラー発電に対する旺盛な需要がありエネルギー産業関連ケーブルは引き続き好調が見込まれます。自動車の電装化の流れは着実な発展を続けており、データ伝送用ケーブルの需要の拡大は続いています。また、AI関連のみならず、あらゆるデータ伝送における高速大容量・高信頼性ケーブルの需要は増大しつつあります。持続的な成長に向け、当社ならではの価値を認めていただけるような製品とサービスの提供に努めてまいります。
役員・従業員一同、一層の努力をしてまいります。株主の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
2025年12月