トップメッセージ
TOP MESSAGE

代表取締役 執行役員 社長 篠 祐一

株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り心より感謝申し上げます。
第84期の当社グループを取り巻くエレクトロニクス業界におきましては、、車載市場においては一部で生産停止の影響が見られたものの堅調に推移しました。半導体市場については生成AI用途向けへの積極的な設備投資の動きが見られた一方で民生エレクトロニクス向けの設備投資は低調に推移しました。産業機器市場では本格的な回復には至りませんでした。コスト面においては原材料価格の高騰が継続しました。

このような環境の下、車載用ケーブルは生産台数の減少もあり弱含みました。エネルギー産業関連ケーブルは一部の案件における工期延伸の影響等を取り戻し回復しました。情報通信向けケーブルはサーバ/ストレージ用ケーブルの新規受注、決済端末機器需要増により増加しております。半導体製造装置は復調傾向にありますが、回復は生成AI用途向けが中心であり軟調な推移となりました。産業機器用ケーブルも需要の停滞が続き低調に推移しております。以上により、売上高は262億14百万円(前年同期比5.6%増)となりました。売上の増加等により、セグメント利益は22億9百万円(同33.1%増)となりました。

電子・医療部品セグメントにおいては、ネットワーク機器において専門用途品が好調に推移しました。医療部品の分野では医療用特殊チューブの売上が増加しました。以上により、売上高は45億55百万円(前年同期比1.9%増)となりました。売上が増加したことによりセグメント利益は9億円(同6.6%増)となりました。

以上の結果、、売上高は308億2百万円(前年同期比5.0%増)となりました。売上高が増加したことにより、営業利益は22億67百万円(同36.0%増)となりました。経常利益は25億57百万円(同22.9%増)となりました。前期に発生しました訴訟関連損失4億35百万円(特別損失)が無くなったことにより、当年度において親会社株主に帰属する当期純利益は20億26百万円(同40.3%増)となりました。

今後の見通しにつきましては、各国のインフレ率低下による政策金利の引き下げ等経済の押し上げ要因もあるものの、米国通商政策による世界経済における不確実性の増大、ウクライナ情勢や中東情勢のみならず地政学リスクが高まりをみせるなど、先行きの不透明さが一段と増しております。当社の関連する市場において、、AIの活用やデータセンタの増加、様々なIoTデバイスの普及によるデータトラフィックの飛躍的増加に伴い、高速大容量伝送・高信頼性のケーブルの需要が拡大しております。自動車市場では、引き続きADAS機能の向上、車両の電装化が進められており、当社の車載用ケーブルの堅調な推移が見込まれます。また、脱炭素の取り組みを背景に再生エネルギーに対する需要は底堅く、メガソーラー発電所において使用される当社のエネルギー産業関連ケーブルも引き続き需要が見込まれます。先行きが一層に不透明な中でありますが、高速大容量通信が必要とされる領域は変わらず拡大傾向にあります。持続的な成長に向けて売上、利益の拡大に努めてまいります。

役員・従業員一同、一層の努力を重ねてまいります。株主の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2025年6月

一覧に戻る